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執筆者の写真Kanako

学振採択および受賞等に必要な3ヶ条

更新日:2021年3月5日


これまでいろいろな研究助成金や賞に応募しましたが、その内容と結果を振り返り、何が採択には大事だったかを備忘録的に記したいと思います。

以下は学部4年生からポスドク1年目までの間に申請した研究助成金・賞とその結果です。

私のこれまでの研究費申請とその勝敗の歴史

パッと見て、勝ち負け同率、という感じですね。一発で受かるほど優秀じゃないけど、転んだら次こそは!と、諦めずに挑戦していることが振り返ってみてわかりました。

● 一番初めに書いた申請書が英語だった、というのは今考えるとかなり無謀なのですが、当時はかなり負けん気が強かったというか、この研究は面白いから通るはず!と考えて挑戦したのを思い出しました。修士からお金をもらえるような奨学金はその頃無くて(リーディング大学院プログラムのことは後から知りました)、学内のメールで流れてきたのだったかMBBISPのことを知り、ラボにフィリピン人のポスドクさんがいて英語の添削にも協力してくれるだろうと目論んだこともあり、この奨学金に応募することにした、と記憶しています。

申請書のイロハも何も知らなかった私。さらに海外の申請書は枚数制限や決まったフォーマットがあるわけではなくて、自分の好きなように好きなことを書いてよかったので、さらに困ってしまいました。フィリピン人のポスドクさんに相談しながら、自分なりに工夫した図(この研究を達成した後、自国(日本)にどのように貢献できるかを述べる必要があったので、研究と社会と自分をつなげた図)をのせ、5ページのproject proposalと、さらに5ページのcommitment letterを作成しました。英語が苦手ではないとは言え、会話は好きでもこれまで英作文も大学入試レベルしかやったことない中、よくぞ挑戦しようと思ったなと今は思います。読み返してみると文法もあってないし、単語もちぐはぐなところは多数あるけれど、頑張ったなと褒めてあげたい。そしてそれに付き合ってくれたポスドクさんにも感謝!

結果は不採用だったけれども、この時に自分なりにこの研究にどのような意義があって、どのようなインパクトを社会に与えるのかを考えたことは大きな糧になったと思います。初めて着手した研究だということもあるけれど、とても愛着のある研究テーマです。

ちょっとこの記事の趣旨とずれてしまった。。。軌道修正します。

● これまでに書いた申請書で勉強になったのはやはり学振DC、学振PDです。フォーマットが決められていて、その質問内容に答えると必要十分に審査員にはその研究が重要かそうでないかが判断できる。しかし、審査員は自分の専門分野だけではなく、ざっくりと大枠の分野(例えば生物ー農学など)は希望が出せますが、その中には植物、昆虫、環境全体など研究対象が違う人が含まれています。その中のランダムに選ばれた6人の審査員全員に伝わるよう、申請書を作成しなければならないのです。ということはすなわち自分だけに伝わる独りよがりな文章では良くなくて、さらには植物の人には当然ということも動物の人には全く見慣れないものだったりするので、添削をお願いするのに自分の分野だけではなく、他分野の方にも見てもらうことが大切なわけです。

私はまず自分で書いたものをラボの先輩に見てもらって、添削してもらったものを直してから、他分野の方に添削お願いしていました。だって自分のフィールドの人にも伝わらないのでは、他分野だとちんぷんかんぷんということになりますからね。国内PDはトータル6人の方に添削いただきましたし、海外学振PDの面接練習は5人の方に見てもらいました。

申請書の内容で重要だと思うのは、支給期間(DC1なら3年間、DC2なら2年間)内に達成できる研究であるかということ。私のDC1は、完全に「お前これ3年で、しかも一人では達成できんやろ」という内容だったので落ちたのだと思います。計画段階では可能そうに見えても現実はそううまくはいかないもの。想定していなかったことが起きたり、仮説が誤っていたりします。そして審査員の方々には手に取るようにそういった事故が予想できるわけです。なので壮大すぎず、しかし研究する価値はあるよ、ということをアピールすることが重要です。壮大なテーマは学位を取得してからチャレンジするのがいいと思います。ちゃんとそれを達成できる実力を備えてから。。。

そして、兎にも角にも重要なのは業績。いくら申請内容が良くても業績が伴っていなければ、「うーんこの人ほんとに達成できるかな。口先だけかも。」と判断され不採用になってしまいます(私の1年目の国内PDがそれ)。

上記の3つが申請書を採択してもらうのに大事なポイントだと思います。

● また受賞についてですが、これも異なる分野の人に理解してもらう、ということが重要だと思います。総長賞(ポスター)というのは略称で、正式には名古屋大学若手女性研究者サイエンスフォーラム総長賞といい、オープンキャンパスの際に高校生や保護者の方、また全学の様々な分野の教員の方に対してポスター発表を行い、優秀な発表だと認められての受賞となります。1回目の時はとにかく文字が多かった!かつ、専門的過ぎる内容になっていたので、2回目はイントロを増やし、ポスターの中にめくれる仕掛けを作って、楽しんでもらうことを大目標に発表しました。結果、多くの人がポスターに立ち止まってくれて(ポスター発表では人が集まっているポスターにほど人が寄ってきます)受賞に至りました。ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞は、面接については過去記事でも書いているのですが、申請書は3人の他分野の方に見てもらい、また業績も増えたことが勝因だったと考えています。

ただ私はこれまで一般向けの賞にしか応募していないので、学会賞などはまた別だと思います。想像するに、業績が重要なのには違いないでしょうね。

● 色々書きましたが、初めの図からもわかる通り私は何度も不採択になっています。だからこそ反省を込めて上記のことが身をもって述べられます。結果論ですが、採択になる最大のポイントは、採択になるまで諦めず出し続けること、なのかもしれません。笑


追記:希望者がいれば私の過去の申請書シェアします。周囲に学振を取られた先輩がいない、賞に応募してみたいけど気軽に相談できる相手がいない、という時不安ですよね。少しでもお力になれればと思います。CVにあるメールアドレスにご連絡ください。


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