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Kanako

学振PD申請とその結果

更新日:2020年8月16日


自分が学振PDを申請する際に、いろいろな記事をググり、参考にさせていただいたので、私も後陣のためになればと思い、自分の学振PDの申請書作成から結果までの流れを簡単にまとめようと思います。

今年の3月に学位を取得し、そのまま卒業したラボでポスドク1年目を迎えた私ですが、すでに学部4年生から同じラボに所属しているため、早く出なければと多少の焦りを感じていました。D3の時にも国内学振は出したのですが結果は不採択であり、今年は海外学振と国内学振の2つにチャレンジしようと考えました。

受け入れ機関によって提出期限は異なるのですが、私の場合、海外学振は4/24、国内学振は5/19でした。大抵、海外学振の方が提出は早いと思います。以下、海外と国内分けて書きます。

[海外学振]

渡航先は2つで迷っていて、前年の12月に両方のラボに連絡をとっていました。今までこういうことを研究して来て、あなたのラボではこういったことをしたい、という内容のメールを送り、その返事も早く、またメールの内容のよかった方で海外学振を書くことに決めました。その時はラフな内容しか送っていなかったので、年末年始で内容を練り直し、1月末に再度メール。しかし新たな分野ということもあり、関連論文を読んで勉強しているうちに一時迷走したり。。国内学振とは申請書の内容が全く異なるので早くから手をつけようと思っていたのに、自分の中でこれだ!と決めきるのに時間がかかり、またそれを渡航先に伝えてOKをもらうまで文章にすることもままならず、結局4月の2週目ごろからやっと書き始めました。(日本語だから書き始めとけばよかったのに。。。)提出期限ギリギリに大急ぎで書いたため、夫だけに添削をお願いし、色々直されたものを事務に提出しました。

結果は8月頭に届き、「面接候補」。

正直、嬉しさよりも不安の方が先立ちました。だって面接で受かるのは4分の1ですよ!?夫はすでにアメリカの研究機関に内定をいただいていたので、これに受からなかったら無職でアメリカ。。。主婦か。。。それもいいな。。。とか思っていたけれど、切り替えて面接に集中。面接は9月29日に東京・四谷にある日本学術振興会のビルで行われるとのこと。

それまでの間に、まず植物の研究者2人、その後動物の研究者3人に面接練習をしていただきました。

5人の方々+夫からたくさんの助言をいただき、またこれまで学振の面接経験のある方2人からもアドバイスを(メール越しに)いただきましたが、もっとも強く印象に残っているのは「笑顔を絶やさず、元気よく!」というもの。とにかく面接では書面では伝えられない、研究への熱意、研究を楽しんでやっているかどうかを面接官に伝えることが重要だと言われました。

4分の発表に、これまでの研究とこれからの研究内容、そして熱意を込めるのはなかなかにハードでしたが、できるだけ簡略化し概念図でシンプルに内容が伝わるようなスライド作りに努めました。また、植物だけでなく動物の研究者の方も面接官として在席されるため、「生物学の研究において本研究がいかに大事か」を伝えられるようにしました。

いざ面接!

(四ツ谷駅近くのTurry's coffeに、面接の1時間半前に着いたのですが、そこには面接候補者と見られる方がちらほら。緊張しつつも自分のことに集中集中。。。)

待合室にいる方々はみんなすごく優秀そうに見え、不安と緊張は高まるばかり。けれど面接会場前のイスに座った時には『しっかり準備したし、プレゼンはばっちり。これで落ちたら他の人の研究提案がよっぽど魅力的だったと考えよう。』と切り替えることに成功しました。また、5月に受けたロレアルのテレビ面接では面接官の顔が見えない中でプレゼンしたので、それよりは100倍くらいマシだと考えると気持ちが自然と落ち着いてきました。

プレゼンはかっきり4分で終了。6つほど質問が出ましたが、練習でのアドバイス通り「2秒以内に、まずハイかイイエで答える」を実行し、そのあとの補足もうまくできたように思います。とにかくやりきった!

10月11日に結果がメールで届き、採用内定をいただきました。

[国内学振]

国内学振の方は去年提出していたこともあり、その内容を少し修正したものを4月中旬には3人の方に読んでいただき、添削をいただきました。去年は植物の方にしか見せていなかったので、今年は動物の方にも見ていただき、たくさんのコメントをもらいました。おかげで「植物の人にとってはこの手法は当たり前なのかもしれないけど、全然伝わらない」とか「重要性がわからない」など、たくさんのご指摘をいただき、異分野の方にもわかっていただけるように少しは改善されたかと思います。

文字ポイントは11以上、目立たせたい箇所はゴシック・太字で、引用文献は探そうと思ったらちゃんと探せる情報を載せる、各実験がなぜ必要なのか、結果を導くために必須であることを示す、など学振だけではなく、他の申請書にも応用可能なtipsを多々お教えいただきました。

また、面接練習の時にも言われたことですが、業績をちゃんとアピールすることも重要だと言われました。謙遜してアピールしないで業績欄だけで判断してもらおうというのは、審査員頼みすぎると。自ら言うべきところは、しっかり前に出したほうがいいんですって。

たくさん直していただき、自分の中でも満足いく仕上がりになったこともあり、10月13日に面接免除で採用、との内定をいただきました。

どちらの申請書も直しが入る前と後では雲泥の差で、コメントをくれた方々には菓子折り持ってお礼を言いにいかねばなりません。

こんなにも見てもらえるのは学振だから、とも思います。

自分で科研費申請書を書くようになったらいつまでも周りに甘えていてはいけないし、むしろたくさん赤の入った直しが戻ってくるようであればその申請書は出しても通らない、と大先輩がおっしゃっていました。なので、学生時代にたくさん添削してもらって、それを自分の中に取り込んで自力で良いものを書けるようにならなければ、科研費や大型予算申請に臨む資格も無いということですね。これからちゃんと書けるよう、研鑽を積まなくては。。。

また申請書を書く上で、自分のこれまでの研究を見直し、これから入っていく分野のことを調べる上でサーベイした情報をまとめたことで、自分がどういった分野に興味を持ち、その分野ではどのようなことが流行っている、もしくはまだ手がつけられていないのかを少しは把握できたように思います。まだまだ知らないことが多いですし、分野を変えることに恐れもあるけれど、その分野にどっぷり浸かっている人には気づかれていない点に気づく可能性がある、という点が異分野からの介入のアドバンテージかな〜

もっと思い出したことや、改善点があればまた付け足そうと思います。とりあえず今回はこのくらい。


追記:希望者がいれば私の過去の申請書シェアします。周囲に学振を取られた先輩がいない、気軽に相談できる相手がいない、という時不安ですよね。少しでもお力になれればと思います。CVにあるメールアドレスにご連絡ください。

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