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執筆者の写真Kanako

育休中の過ごし方

更新日:2022年5月27日

第二子を産んであっという間に2ヶ月が過ぎ、産休から育休に突入しました。

とはいえ、別段大きく変わることはなく、産後休中と同様に第一子の保育園の送迎・家事・第二子が寝ている間に少し解析を行う(とはいえ細切れでなかなか進まない)日々でした。

芒CSSLの論文がアクセプトになったのが3/31だったので少しはゆっくりできるかなぁと思ったのも束の間。RNA-seqの解析を進めねば…という焦りがありました。しかしもともと解析が苦手なので、なかなかまとまった時間が取れないことを言い訳に、パソコンと向き合うことをずるずる先延ばしにしていました。


では細切れの時間をどう過ごしていたかというと、

・身近な植物の種名を調べたり(夫に「この植物はなに?どの系統と近い?」と聞かれても答えられないことが多いので少しずつ勉強し始めました)

・地下茎の論文原稿を書き進めるため、関連論文を読んでイントロとディスカッションを書き直したり

・新しくラボに入ったM1の子の研究方針を考えたり

していました。


ほんとは共同研究がもう一つ別にあるのですが、そちらは全然手をつけられていなくて、申し訳ないという気持ちと早くやらなきゃまずいでもなかなかできない…という焦燥感に焦れております。

こういうのほんと精神的によくない…


ここでもやはり自分のキャパを見誤るという私の悪いところが出てしまっているなと感じます。できないならできないと言うべきなのに、「多分できるだろう。これがうまく論文化できれば私の業績にもなるし。」という甘い見積もりをしたのが運の尽き…

できる限り時間を見つけて進めていますが、なかなか進まないので家族に(主に夫に)フラストレーションをぶつけてしまい、家庭内の雰囲気もいまひとつ。


「休むときは休むと決めて、もうパソコンを見ちゃいけない!」と夫に叱られ、4月3週目の3日間はパソコンに向かわず本を読んだり、Amazon Primeで呪術廻戦を見たりしてリフレッシュしました。


また、GW中には子ども2人を夫と義母に預け、1人でゆっくり過ごす時間をもらいました。何をするか少し悩みましたが、ストレスのもとを取り除くのが一番だと考え、カフェで芒の論文を書き進めました。ネット環境がないと書くことにのみ集中でき、2時間で一気にResultパートを書き切りました。そんな風にすごしたと報告すると夫は呆れ顔でしたが、「奏子がスッキリしたなら良かったね」と納得もしていました。


もともと趣味も無いため休みをとるということが苦手で仕事には早く復帰したいと常々思っているのですが、家族ともっと一緒に過ごしたいということで育休を取得しました(2021年6月現在、東北大学は名古屋でのリモートワークを認めてくれていません)。そのため、育休中とはいえど仕事してしまってもしょうがないか、と自分でも納得しています。

そして自分のフラストレーションを解消するため、第二子を認可外保育園に預けることにしました!

認可保育園*だと育休が明けることを証明できないと申請すらできませんが、認可外保育園*なら育休中でも預けられるということで、いくつかの園を見学に行きました。認可だと入園するのに熾烈なポイント競争を勝ち抜く必要がありますが、認可外であればわりと空いていて、見学に行った園はどこもすぐ入れるとのことでした。


*認可保育園とは厚生労働省管轄の児童福祉施設で、国が定めたさまざまな設置基準をすべてクリアしていて、都道府県知事に認可されている施設のことを指します。一方、認可外保育園とは上記の基準を満たしていない(具体的には施設の広さや設備など)ため、都道府県から認可を受けていない施設のことです。


認可外保育園は認可保育園より月謝はお高いですし、「小さいうちは保育園に入れなくても。」という声もありました。しかし、他の子と触れ合わせたり適切な音楽や声かけのあるところで日中過ごす方がパソコンに向かいっぱなしの母親と過ごすより良いだろうと考えたこと、また私が仕事を進めることでキャリアに穴を開けず、家庭内にストレスを持ち込まないといったメリットがあると考え、認可外保育園に入れることにしました。

9時から15時までと限られた時間ですが、その間は出版できていない論文執筆と解析にフルパワーで向き合っています。

なかなか進まないけどね。


夫も研究者でよかったと思うことに、育休中でも研究の進展について相談したり、研究や論文に関わる雑談をできるということがあるなーと感じました。zoomを使ってラボセミナーにも参加していますが、なかなか雑談をふるというのは難しい。だって他の人からしたら「あなたは育休中かもしれないけど、私たちは実験等もあって忙しいんですよ?」と思われるかもしれないし。。。zoomで雑談するというのはなかなかハードルが高いわけです。でも、『今日解析中にこんな(しょうもない)ことがあったよー』とか『自分の研究とは関係ないけどこんな論文が出ててー』など話したくなるじゃないですか。そんな話を夕食や朝食の時間にできるのは相手が研究者だからだなと改めて気づきました。


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余談:ある日の夕食時の会話

鳩の虹彩の色に関わるGWAS論文の話からはじまり、 夫「虹彩ってirisっていうでしょ」 私「えっ、そうなんだ知らなかった。花と同じスペルかなぁ。」 夫「知らなかったの?Rのデモデータにもなってるのに。」 私「??それは花のirisでしょ?」 夫「??」 私「だってsepal lengthとかpetal lengthが表現型値として使われてるでしょ。」 夫「確かに...気付いてなかった…」


なんとも研究者っぽい、でもとぼけた会話でした笑

ちなみに「iris」の語源はギリシャ語の「虹」だそうです。

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育休中でも結局仕事のことばかりですが、家族そろって過ごせる日々は期間限定なので休日は家族とフルパワーで遊び倒しています(たまに仕事しているけど…)。あと数ヶ月したら復帰、楽しみだけど寂しくもある。複雑な心境です。



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