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執筆者の写真Kanako

子連れ出張におけるヒント集

更新日:2023年10月19日

コロナも落ち着いてきた2023年4月末、最近は学会も対面で開催されるようになり、学外の講演者を呼んでのセミナーも対面の数が増えてきました。そして、出張も同じタイミングで増えてきました。また、私たち家族は「私ー娘」「夫ー息子」という、片親ー1子体制で離れて暮らしているため、隔週頻度で互いに行き来する子連れでの長距離移動が多いです。 また、最近は各大学の育児支援や、科研費でも「託児費用に支出可能」という記述が(このページのQ4477)あるように一時保育費用を科研費で支払ってよいということなので、今後は子連れ出張をされる方も増えると予想されます。

そこで、だいたい月2回は仙台ー名古屋間の約700kmを移動する私から、子連れ出張におけるヒントを列挙しようと思います。


出張前に行うこと

・(1ヶ月〜1週間前)子供に「この日は出張だよ」と伝える。(1人/子連れ出張の両場合)

子供を残して親だけ出張に行く場合でも、帯同する場合でも、どちらにおいても言えることですが、事前に出張予定を子供に伝えるのは結構重要だと思います。生後半年をすぎると親の言っていることもかなり理解し、反応も示すので、早めに伝えて環境が変わるという心の準備をさせるのが良いです。

息子が1歳半の時に、夫が2週間の長期出張中に私が2泊3日で出張する必要が出てきた時がありました。はじめは一緒に行こうと考えていたのですが、アメリカ在住時(しかも初年度)だったので、子連れで見知らぬ土地に行くのが怖かったこともあり、旅行ついでに長期滞在していた叔母に預けることにしました。その時は3週間くらいまえから、「ここのカレンダーに赤線が引いてある日はダディは海にお仕事に行っていて、マミーは飛行機で遠いところにお仕事に行かないといけないんだ。でもマミーはすぐ帰ってくるし、アンティが一緒に遊んでくれるから大丈夫だよ。」と伝えていました。そして出張後、叔母にどうだったか聞くと一度も泣かずに過ごしたと教えてくれました。1歳半の子に酷なことをしたな、とも思いますが、事前に心の準備ができていると子供はしっかりするのだなと感じた出来事です。


ちなみにコロナ禍真っ最中に生まれた娘は、息子の時と比べて知らない大人と触れ合う機会がほぼ無かったため、私にべったりで、息子の時ほどすんなり出張には行かせてくれません。出張1週間前に「この日は出張だよ」と伝えると、「マミーお仕事行かない?行く?(なら)私もお仕事、行く。」とその日から毎日繰り返すようになります。置いていかれることを恐れているのだなぁと思い、申し訳ないと感じます。 あっさり「ああ、はい。行ってらっしゃい。」と言われるようになるとそれはそれで寂しく感じるようになるのかなぁとも思ったり。勝手な親ですね。


・(1ヶ月前)託児所やベビーシッターの予約(子連れ出張の場合)

もちろん学会で託児所があればそれを使えば良いですが、共同研究先だったり領域会議等だと託児所の設置がないことも多いので。

遅くとも1ヶ月〜2週間前には出張予定は決まっているでしょうから、子連れ出張の場合は(お子さんが未就学児であれば)出張先で預かってくれる託児所やベビーシッターを探す必要が出てくるかと思います。場所によっては一時保育をやっていない託児所もあります。

私がよくやる手は、Google Map上で出張先を検索し、「周囲を検索」で「保育園」と検索します。そしてGoogleの星数やHPを参考にして、良さそうな園をリストアップし、一時保育をしている園に電話をかけます。この検索、地味に時間かかるんですよね… 一度決めてしまえばそのあとは空きがあればずっとそこを使うので楽なのですが。。。

最近は出張先のホストの先生に「大学併設の保育園はありますか?もし無い場合は、〇〇先生(ホスト当人)や同僚の先生方が通わせている保育園をお教えいただけませんか?」と聞くようにしています。そうするとこの検索時間が省略されて、かなり助かります。


また、どうしても近くに一時保育ができる園が無い場合はベビーシッター利用も考えます。

今まで出張先でベビーシッターを利用したことはアメリカでしかないですが、日本も同じではと想像します。

アメリカで使用していたサイトはこちら:UrbanSitter

日本ではこちらのサイトに登録しています:Kidsline

UrbanSitterは保育士としての資格を持った人も多く、またどちらも身元がしっかり保証された人が登録されているので安心です。

普段から保育園に預けていますから他の子と遊ぶ方がいいだろうという考えと、出張先だとホテルの部屋は狭いので、できるだけ一時保育のある園を探すようにしています。ただこの辺は子供によりけりで、人見知りが強い子であれば知らない子どもがたくさんいる見知らぬ園に預けられるよりはベビーシッターさんと2人で遊ぶ方が安心かもしれません。


・(数ヶ月前〜当日)移動手段の予約(子連れ出張の場合)

行く場所によりけりですが、新幹線や飛行機を使うかと思います。

新幹線だと今はネットで予約ができるので、当日の出発直前に予約することもありました(でも、はやぶさの2人がけシートはさっさと埋まってしまうので最近は早めに予約を心がけています)。

飛行機は苦手です。まず空港が主要駅から少し離れたところにあり、かつ搭乗時刻30分前〜など、空港について待つ時間を加味しないといけないためです。仙台ー名古屋間の場合、新幹線で移動しても飛行機で移動しても時間的には大差ないです。金額的には結構変わったりもしますが(しかし、最近はLCCも減ったためあまり金額的にも変わらなくなりました)。飛行機は遅れたら乗れないという恐怖もあります。新幹線の場合、えきねっとなどを活用すれば乗車直前まで予約変更可能なので、気が楽です。

子どもが1歳になる前までは、泣いたりおむつがえのときに席を立ちやすいように通路側を選択していましたが、2歳も過ぎると逆に外が見える窓際を選択するようになりました。新幹線だとチャージャーも窓際ですし。


・(数ヶ月前〜当日)宿泊先の予約(子連れ出張の場合)

低年齢児の場合、添い寝が基本なので(少なくともうちでは)、もしあれば和室を選択します。しかし出張先で和室のあるホテルはほぼ無い、もしくは非常に高額だったりするので、ベッドのことが多いです。その場合、ダブルベッドなどできるだけ広いベッドを選びます(そしてベッドが動かせるようであればベッドを壁際に寄せて、子どもがベッドから落ちないようにします)。また、子どもがぐずって夕飯時に外へ行くことが難しい場合もあるので近くにスーパーやコンビニがあり、駅からもアクセスのいいところを選びます。もちろんUberEatsを使えばそれでいいかもしれませんが、私は使っていないので(苦笑)。

・(1週間〜当日)新しいおもちゃの購入

子供の気持ちを紛らわすため、また新しいおもちゃだと長めに遊んでくれるため、新しいおもちゃを購入します。親の罪滅ぼし的な気持ちも含まれています。

出張当日までバレないようにするというのが重要です。

・(前日)持ち物の準備

着替え、おむつ、ビニール、ウェットティッシュ、保険証、お菓子、飲み物、絵本、裏紙、色鉛筆、人形、持ち運び用パズル、シールブックなど。

2歳を過ぎると動画を見ることもできるようになったので、タブレットも充電をフルにして行きます。移動中はネット環境がないところが多いため、子が好きな動画を事前にタブレットにダウンロードしておくことも大事です。

最近、息子用におでかけ中に楽しめる100のあそび (カード) というものを購入しました。迷路、間違い探し、お絵かきなど内容盛りだくさん、ペンで書いても乾いたティッシュでおとせて良いです。気に入ってくれた模様。

娘はもう少し大きくなったらぬり絵などで長時間集中できるようになるかな… 今は動画も10分くらいで飽きてしまって、私は新幹線の中ずっと絵本を読み聞かせています(誰か褒めて!笑)。

上記のように子連れ出張では荷物が多くなりがちですが、〜3歳だと荷物は親が持つ、時には子も抱っこしないといけない、という状況になるので、できるだけ厳選します。それでも出張先で発表のためパソコンやノートが入ったリュックを背負い、前には抱っこ紐に包まれた子(体重12kg)、片手には服などが詰まったキャリーケース、という装備のため、出張先に着いた時には荷物の重さに悲鳴をあげていることもしばしば。みなさん、そんな装備の人を見かけたらぜひそっとエレベーターの順番をゆずってください… 笑

ここにポスターの筒などは抱えていけるはずがないので(長いし、しょっちゅう肩からずれ落ちる)、ポスター発表の場合は他の荷物と共に宅配するのが吉です(そもそも口頭発表を選択する、という選択肢もある)。

・(緊急時)子の体調が悪くなりそうであれば、予備案を準備

出張2-3日前になんとなく風邪をひきそうな娘…ということがこれまでにありました。しかも私が受賞講演で招かれていた時(仙台市内で土曜の開催でした)。しかしその週末は夫は仙台に来れないし、予約したかったシッターさんはすでに埋まっている状態。いけるかな、どうかな、と思いながら、「もしかしたら行けなくなるかも」と考え、発表用の動画をzoomで撮影して準備しておきました。そして出張の前日に娘が40度の発熱!あちゃー。そこで準備した発表動画を学会の担当の方にメールで送り、大変申し訳ありませんと平謝りの連絡をしました。皆さまとても優しく心配してくださいました。

ギリギリまで娘が風邪を引かないことを願ったけれど、なかなかそう思うようにはいかないですね…

もともとは保育園に預かってもらう予定でしたが、やはり早めに病児保育できるシッターさんを探しておくべきだったかもしれません。でも2-3日前という直前だとなかなか見つからないんですよね…

子ども(特に低年齢児)の体調不良時は、片時も離れることができずメールすら難しいという状況になると思うので、体調が良好な平時から備えておかないとと改めて思います。


出張後に行うこと

・(出張当日)託児所やベビーシッターから領収書をもらう(子連れ出張の両場合)

忘れることはないかと思いますが、領収書をもらったらくしゃくしゃっと財布にしまわず、クリアフォルダにしまってカバンに入れることをお勧めします。立替払い申請時に領収書が必要になりますので。


・(出張後)子どもを甘やかす(1人/子連れ出張の両場合)

出張が終わって子どもと会ったら、「がんばってくれてありがとう、おかげで仕事が無事終わったよ。」と伝えて、存分に甘やかします。



こんなところかな。

今は子どもは2人とも未就学児ですが、子どもが小学校に上がったらまた色々と変わってくるでしょう。そのときはまたアップデートしたいと思います。

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