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  • 執筆者の写真Kanako

産前休の過ごし方

更新日:2022年5月27日


私がこのホームページを始めたのは第一子を産んだあとなので、産休のこととか出産についてこれまで書いていなかったなーと思い至ったので第二子の出産関連のことについて書こうと思います。


第一子と夫が名古屋にいるので、仙台にいる私は名古屋でさとがえり出産をする予定でいました。

2月上旬が予定日ということもあり、予定日の6週前から産前休にはいりました。

コロナウイルスの流行に伴い、県外からきた私は2週間は病院に行けないことになっていました。その時点では妊婦検診は2週間おきだったので、仙台を出る前に仙台のクリニックで最後の検診を受け、年末年始は家族でゆっくり過ごしました。

年明けすぐ病院に行き、異常なし。元気に発達している模様。

その後新居に引越し、新しい家族を迎える準備をしました。


その頃私は共同研究のRNA-seqデータ解析をかかえており、出産前になんとしても発現解析まで終わらせたい!と必死になっていました。

しかし、これまでインフォマ解析をしたことがないため、一つのコマンドを進めるにも四苦八苦… 所属ラボはバイオインフォを得意とする人がたくさんいるので皆に質問しつつ、RNA-seq解析に関するブログ記事や動画を見て、少しずつ解析を進めました。

そのため名古屋に戻ってきてから1ヶ月はパソコンにかじりつき。

それまではだいたい毎日8,000歩歩いていたのに、5,000歩も歩かないようになりました。

本来なら正産期に入ったら陣痛を誘発するためにウォーキングをするなど、できるかぎり運動する方がよいと言われているのですが、子どもが生まれるとなにもできないとわかっているため、少しでも解析を進めたい…という気持ちの方が勝ってしまいました(苦笑)。お医者さんにも「お母さんもう少し運動しましょうか〜」と促されるダメ妊婦っぷり(第一子の出産前もオンライン面接があったのであまり動けなかった記憶が…)。


コロナの影響でラボセミナーをはじめ博論発表、修論発表もオンラインだったため、大学のイベントにはつつがなく参加することができました。また妊娠中でも(臨月でも!)学会や研究会に参加することが可能だったのはコロナの恩恵と言えます。おかげでラボの学生さんの勇姿も見届けることができました。


どうにかこうにかDEG (Differentially Expressed Genes)解析まで終わらせて共同研究者に結果を送り、一息。そのころは妊娠39週だったのですが、すでに胎児の予想体重が3200gを超えているとのことで、早く産まねばお産が大変!という状況でした。

第二子は早く生まれるって聞いてたのになー。おかしいなー。


お腹が重いので深夜トイレに起きたりしてそのまま解析を3時間くらいする、ということをしていたのですが、共同研究者にデータを送ってからはピタッとそれが無くなって朝まで眠れるようになりました。『ああ、データを早く渡さなきゃというストレスが相当あったんだな』と自認しました。あまりこういうのは良くないですね…


というわけで予定日の1週間前からやっと出産に向けて気持ちを切り替え、(夜もぐっすり眠れるようになり)日中はできるだけ運動するよう努めました。

第一子のときにいろいろ勉強していて手順は把握していたし、ベビー用品もある程度揃っていたため、それらのことに脳の容量を割かなくてよかったのは幸いでした。


お腹ははちきれんばかりで、着る服は限られ、足元は見えず、お風呂もやっとかっと。

お腹重いよ〜早く生まれてきて〜とボヤいていると、「先週まで『まだ出てきちゃダメ』とか言っていたのに勝手な母親だなぁ」と夫に苦笑されました。たしかに。


このままだと予定日過ぎるかも、そうするとお産はかなり大変そう…とヒヤヒヤしていましたが、無事予定日に出てきてくれました!

長くなるのでこのあたりの『出産編』は次回に回そうと思います。笑


私は体調も安定していましたし、なにより家族のそばで過ごせることが嬉しくて、産休中は単身赴任のときより精神的に安定していました。妊娠中は胎児により内臓が圧迫されるという肉体的な変化も大きな負担ですが、ホルモンバランスの変化や胎児が五体満足で生まれてくるのかという不安からくる精神的負担もかなりあります。その負担が少し軽減されたのはさとがえり出産を選択したメリットでした。研究者カップルだと別居になるところも少なくありません。子供を持つ持たない、持つにしてもいつ妊娠出産に踏み切るべきのかといったことに関しては多くのカップルが悩んでいることと思います。前に「いつ産むべきか問題」という記事にも書きましたが、その回答はなかなか簡単に見つかるものではないと思います。


今回初めて家族と離れた状態で妊娠期間を過ごしましたが、やはり妊娠初期は精神的に不安定で研究が手に付かない時も多くありました。振り返るとおそらく妊娠超初期でホルモンバランスが変化していたからだろうな〜と理由づけができますが、妊娠が確定するまではそれすらわからず「私は家族とも離れて研究に集中できる状態なのに、なぜそれができないんだ...」と自分が嫌になったりすることもありました。つわりのようにわかりやすい肉体的変化がなかったからこそ精神的に自分を責めることも多かったなと思います。


妊娠が確定するまでは(妊娠21週目までは流産の可能性も少なからずあると言われています。私もこれまで2回流産を経験しました。)周囲に報告しづらいですし、こういった話は男性上司や子供を持っていない女性上司にはなかなか理解されないかもしれません(もちろん理解しようと努力してくれるとは思います)。外面的に変わりの無い様子の場合はなおさらです。一人で抱えきれなくなる前に、上司には「もしかしたら流れるかもしれないけど」と付け加えつつ、早めに報告しコミュニケーションをよく取ることが重要かなと思います。



(2022年4月27日 追記)

今年に入って博士の学生さんから、「妊娠や出産を考えているのだけれど、それを就職先の面接時に伝えるべきでしょうか?」という質問を受けました。これは非常に難しい問題だと感じます。就職先からしたら戦力となると思って採用したのに、さっさと妊娠して産休育休に入ってしまわれると困る、という気持ちになり、それによって採用の可否が決まるということもあるかもしれません(基本的にそのようなプライベートのことを面接時に質問することはタブーとされているので、面接側が質問してくることはないと思いますが)。

就職先の状況によってこの辺りの対応は変わってくると思います。もし就職先に研究を進められる人材が豊富にいるのであれば産休育休を取ることになんのお咎めもなく喜んで送り出してくれることでしょう(そうあって欲しいものです)。しかし、もしポスドクが一人しか雇えない状況の研究室でその頼みのつなのポスドクさんが産休育休に入ってしまっては研究が進まなくてボスは困るでしょう。なので、近いうちに妊娠出産を予定している方は、自分がラボを離れても研究が進むような余裕のあるラボを選ぶのが良いかもしれません。研究テーマはもちろん大事ですが、そのような休みの取りやすい環境を自ら選択していくこともQOLを維持するのにはとても大事です。

ちなみに私は面接前に現在のボスに二人目を考えている旨伝え、その際に産休育休をとった場合任期がその分延長できるかどうかの確認もしました。このあたりの確認は、任期制の職につく場合には非常に大切です。どうぞお忘れなきよう。

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